書籍「仕事は楽しいかね」を読んで陥りやすい誤解は、目標を持たなくてよいという考えである

目標を立てる事無しに今を一生懸命努力する事はできない。
何をどう頑張ってよいか分からないからである。

しかし一方では、
目標を立てて計画的な努力をする事は、
望ましくないという考え方もある。

有名な書籍「仕事は楽しいかね」でも述べているが、
大切なのは日々、昨日とは違う自分になることで、
五年先、十年先の未来を描くことではない。
描いたとしても時代も自分も変わり、
当初立てた目標に頑なにとらわれることによって、
かえって不幸になる、との事だ。

しかしながら、
全く目標を立てることなく、
日々違う自分なることだけを課したとしても、
力強い歩みは生まれないだろう。
そもそも頑張る動機が生まれない。

問題は目標を立てることではなく、
ワクワクしない目標に固執している事なのである。

多くの心理学でも語られているが、
目標はワクワクしなければ達成できない。

当初立てた目標を追いかける内に、
「この目標は達成したいものではない」と判明していく場合は多々起こりうる。

その時にストイックに自分を律して、
その目標を盲目的に追いかけるとき、
自分の本音との乖離が生まれていく。

その時は、
自分の本音と向き合って、
「この目標は今の本音で考えても、心から達成したいと思えるだろうか」と
自分と向き合って考えて見ることだ。

この時、
そう思えないのであれば、
容赦なくその目標を捨てる勇気も必要である。

しかしながら、
その代わりに心の底から達成したい目標は何か、
新たに立てる必要がある。
そうでなければ、
日々の変化も見通しも、原動力も生まれず、
何のために努力しているかが分からなくなって、
長く継続する事は出来ないだろう。

その時どきの本音に正直に、
過去に切り捨てた目標が再び良いと思えればまた復活させ、
常に理想の未来像を最新版に更新し続けながら、
その上での日々の試行錯誤が重要なのである。